育毛剤と発毛剤に明確な違いはあるの?2つは併用可?

育毛剤

育毛剤と発毛剤の違いって何?併用はしていいの?

薄毛が気になりだした人が、気になってくるのが育毛剤や発毛剤のCMですね。

「髪が生える!」「発毛する!」と宣伝文句を耳にすると、その効果にもつい期待してしまうことでしょう。

でも「育毛剤」と「発毛剤」は、名称がどうして違うのでしょう?

違うとしたら、この2つにはどんな差があるのでしょうか?

また、この2つを一緒に使用すれば、効果が倍増になるのでしょうか?

今回は育毛剤と発毛剤の違いについて、また、2つを併用した場合の影響についてをまとめました。

①育毛剤と発毛剤の成分の違い

まずは、一番の問題をはっきりさせておきましょう。

「育毛剤」と「発毛剤」は、似ている名称ですがまったく違うものです。

どちらも同じように髪の毛に作用することには違いありません。

しかし、育毛剤は「髪を育てる」ためのもの。

対して発毛剤は「髪を発現させる」ためのものです。

医学的な種別も異なります。発毛剤は医薬品、そして育毛剤は医薬部外品です。

具体的にはどのような違いがあるのか、まずは成分の違いから確認していきましょう。

育毛剤に含まれる主な成分

育毛剤は、先ほどもご説明したとおり「髪を育てる」ための商品です。

頭皮環境を整え、髪の毛が伸びるための栄養補給をするのが主な効能となります。

育毛剤に配合される成分は、商品ごとに異なります。

そのため、ここで全てを紹介しきることはできません。

ここでは、多くの育毛剤に配合されていることが多い、いくつかの成分をピックアップしてご紹介します。

センブリエキス

センブリは日本や中国などで産出される、胃腸薬や整腸剤として用いられることが多い植物です。

このセンブリには、育毛・発毛についても効果があります。

センブリエキスは毛乳頭細胞を活性化し、発毛サイクルの乱れを整えてくれる効果が期待できるのです。

血行も促進されますので、頭皮の血流も良くなる効果があります。

健康茶としても飲まれているセンブリですが、多く飲みすぎるとお腹がゆるくなる作用があります。

育毛剤に配合されているセンブリエキスなら、その心配もありませんね。

ジフェンドラミンHCI

ジフェンドラミンHCIには、アレルギーの原因となる化学物質作用を低減させてくれる効果があります。

アレルギーが原因で脱毛しているタイプの薄毛には、ジフェンドラミンHCIが配合された育毛剤は効果が期待できますね。

また、ジフェンドラミンHCIは皮膚の炎症もおさえてくれるので、頭皮トラブルの改善も期待できます。

皮脂の過剰分泌や頭皮ニキビなど、荒れた頭皮を健康に戻してくれるのです。

頭皮環境が良くなることによって、健康な髪がスクスク生えてくるようになります。

グリチルリチン酸2K

グリチルリチン酸2Kとは、いわゆるカンゾウです。植物の甘草から抽出されます。

風邪薬などの漢方薬として処方されることが多いカンゾウですが、グリチルリチン酸2Kには皮膚の抗炎症作用があります。

そのため、グリチルリチン酸2Kは化粧品や美容液などにも配合されています。

皮膚の抗炎症作用は、もちろん頭皮に対しても効果を発揮します。

頭皮の炎症を抑えて、頭皮環境を健全にしてくれるのです。

漢方薬にも使われているカンゾウのグリチルリチン酸2Kですから、育毛剤に配合されていても、副作用の心配も低いでしょう。

オウゴンエキス

オウゴンエキスが特に突出しているのは、その活性酸素除去効果です。

活性酸素は皮膚の老化を早めて、頭皮も老化してきてしまいます。

オウゴンエキスが活性酸素を除去することによって、頭皮のアンチエイジング効果が期待できるのです。

特に女性にとっては、オウゴンエキスは頭髪を含めた美容向上に期待ができる成分だと言って良いでしょう。

そのため、女性用の育毛剤にはオウゴンエキス配合の商品がよく見られます。

発毛剤に含まれる主な成分

今度は、発毛剤に配合される成分をご紹介しましょう。

現在、日本国内で認可されている発毛成分は3種類です。

「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」どれも海外の製薬会社が開発した、合成的な発毛成分です。

どの成分も、育毛剤に含まれる成分に対して効果が大きいですが、その分副作用のリスクも高まります。

今回は国内で認可済の3種類について、すべてご案内します。

フィナステリド

フィナステリドは、アメリカのメルク・アンド・カンパニーが開発した男性ホルモン抑制成分です。

AGAの原因ともなる男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害する役割があり、AGAによる脱毛を防いでくれる効果が期待できます。

フィナステリドには副作用として、性欲減退や勃起機能障害(ED)、他にも肝機能低下などが挙げられています。

しかしメルク・アンド・カンパニーの臨床試験では、フィナステリドとプラシーボ(偽薬)では、副作用の差はほとんど認められなかったとのデータもあります。

デュタステリド

デュタステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発された薬です。

イギリスのグラクソ・スミソクラインが開発しました。日本では「ザガーロ」の商品名で販売されています。

AGAが男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼと結合することで発症します。

5αリダクターゼには1型と2型があり、デュタステリドは、1型と2型の両方とも抑制することができます。

ダブルの効き目があるから、発毛剤としても効果がダブルになりますね!

副作用に関しては、性欲減退・EDが起こる可能性があります。

男性ホルモンの生成を抑制するため、男性的な機能に影響を与える可能性があることは否定しきれませんね。

グラクソ・スミスクラインの臨床データでは、デュタステリドを服用した治験者のおよそ5%に、性欲低下の現象があったとのことです。

ミノキシジル

ミノキシジルは血管拡張薬として、アメリカのファイザーによって開発された薬です。

高血圧の治療のためにミノキシジルを投与された患者に発毛効果があったことから、発毛剤として転用されることになりました。

海外ではロゲインとの名称で販売されています。

日本国内では、大正製薬の発毛剤リアップに、ミノキシジルが配合されています。

ミノキシジルの内服薬治療は、日本国内では認可されていません。

心臓に重篤な影響を与える可能性があり、治験が中止されました。

ですからミノキシジルを利用するには、内服薬ではなく、外用薬として発毛剤を利用するのが一般的です。

②育毛剤と発毛剤の効果の違い

育毛剤と発毛剤、それぞれに含まれている成分については分かりました。

ではここから、それぞれどんな効果があるのかについて確認していきましょう。

育毛剤にも発毛剤にも、お互いに効能がかぶる箇所もあります。

今回はそれぞれ特化している部分を、重点的にご説明していきますね。

育毛剤の効果

まずは育毛剤の効果について、先にご説明します。

前述したとおり、育毛剤は言うなれば「髪の栄養剤」です。

頭皮環境が悪くなっているのは、つまりは肥料が足りない畑のようなものです。

栄養不足の畑にいくら種をまいても、作物は育ってはくれませんよね?

頭皮に育毛剤をつけることにより、髪の毛が生えやすい土壌を作ってあげられるのです。

具体的な育毛剤の作用を見てみましょう。

頭皮の血行を促進させる

薄毛やハゲになる原因のひとつとして、頭皮の血行が悪くなっている場合が原因のケースがあります。

血行不良で肩こりや首こりになるように、頭皮も血行不良で硬くなるんですよ。

ガチガチに凝り固まった頭皮は、つまりは耕されていない畑と同じです。

育毛剤が頭皮の血行を促進することにより、頭皮を柔らかく耕してあげられるのです。

髪を太く育てる

血行が良くなって柔らかくなった頭皮へは、心臓からもぐんぐん血液が流れるようになります。

そして血液中に入っている栄養分も、しっかり毛根へと届けられるようになりますね。

充分に栄養が与えられた毛根は、元気が良い髪の毛を成長させられるようにできます。

つまり、太くしっかりした、元気の良い髪の毛を生やす効果が期待できるのです。

髪が育つ頭皮環境にする

薄毛やハゲの原因になるのは、何も血行不良だけではありません。

乾燥や皮脂の過剰分泌、紫外線の影響、それ以外にもさまざまな要因が考えられます。

頭皮トラブルがあると、髪の毛は成長しづらくなります。

そこで、それぞれの頭皮トラブルにあわせた育毛剤を使うことで、悪化した頭皮環境を改善することが期待できます。

髪の毛が育ちやすい頭皮環境に戻してくれるのは嬉しい効果ですね。

薄毛の原因物質を作りにくくする

そしてさらに、頭皮トラブル以外にも、ハゲや薄毛になる原因があります。

ニコチンの影響やストレスなど、生活習慣を変えることによって改善できるたぐいの要因もあります。

しかし、誰もがどうしても避けて通れないのが、頭皮の老化です。

加齢によって、人間の身体にはいろいろなダメージが出てきます。

コラーゲンが不足したり、成長ホルモンの分泌が低下することも。

その影響で、薄毛になりやすい原因物質が現れ出やすくなってくるのです。

育毛剤の使用により、生活習慣の改善だけでは対応しきれない部分のサポートができたら嬉しいですよね。

発毛剤の効果

次に、発毛剤が与える効果についてご説明します。

事前にご説明しておきますが、発毛剤にも育毛剤と同じように、頭皮の血行を促進させる効果があります。

また、頭皮環境を整える効果もありますので、育毛効果もあるものだと思っておいた方が良いでしょう。

発毛剤を使うことは、育毛剤だけでは足りない部分への、積極的なアプローチができるということです。

毛包を活性化させる

毛包とは、毛根から地肌まで髪の毛を包み込んでいる、筒状の部分です。

単なる筒状の袋ではなく、その中には髪の元となる毛包幹細胞が存在しています。

毛包幹細胞が毛根に移動することで毛母細胞となり、この毛母細胞が分裂を繰り返すことによって、髪の毛が作り出されていくのです。

AGAなどで発毛サイクルが乱れた頭皮では、この毛母細胞の分裂がとどこおることにより、抜け毛になったり、新たな髪が生えてこなくなったりします。

発毛剤で毛包を活性化させることで、毛包幹細胞、そして毛母細胞の分裂を助けるというわけです。

新しい髪を生やす

育毛剤と発毛剤の一番の違いは、ここにあると言っても過言ではありません。

育毛剤は、今ある髪の毛を育てるのが主な目的です。

既に脱毛してしまった頭皮に対しては、残念ながら良い効果は期待できないでしょう。

いくら畑に肥料をまいても、作物の種がない状態と同じですね。

発毛剤は、その「種」を作り出す効果が期待できます。

薄毛が進行してしまっている場合は、育毛剤ではなく発毛剤の使用をおすすめします。

③育毛剤と発毛剤の副作用の違い

育毛剤と発毛剤の効果の違いを見てみると、発毛剤の方が、より効果が高いであろうことがわかりました。

だったら全員が発毛剤を使えば、万事解決なのではないか?とも思いますよね。

それが、そうもいかないのです。

発毛剤は発毛効果が高い分だけ、副作用のリスクもついてまわります。

逆に、育毛剤ならば副作用は存在しないのか?ところが、そうでもありません。

ここからは、育毛剤と発毛剤の副作用のリスクについて確認しましょう。

育毛剤の副作用

まず前提として、発毛剤よりも育毛剤は副作用のリスクが低く、その症状も軽いです。

基本的には植物由来成分を配合していることが多いので、重篤な副作用の心配はほとんどないと考えておいて大丈夫です。

育毛剤を使用した際に起こる副作用は、頭皮のかゆみやかぶれ、発疹などが代表的です。

人によっては身体に副作用が出るケースもありますので、使用に際しては充分に注意することが大事です。

購入した育毛剤ごとに、使用上の注意をよく読んでから使用しましょう。

発毛剤の副作用

対して発毛剤は、治療を目的とした「医薬品」です。

合成的に作られた成分であることもあり、育毛剤と比べて重篤な副作用が出やすいと言われています。

そのため、発毛剤の使用に際しては、さまざまな制限がかけられています。

妊娠中の女性や未成年者には、使用が禁止されている発毛剤も存在します。

発毛剤の購入には医師や薬剤師の処方が必要なため、禁忌条件や副作用については、しっかりと説明を受けてから購入するようにしましょう。

ここでは、発毛剤の使用による代表的な副作用を紹介します。

頭皮のかゆみやかぶれ

頭皮のかゆみやかぶれ、発疹などは、育毛剤と同じように副作用が生じます。

ただし、植物成分の育毛剤に比べて、化学成分の発毛剤の方が、よりリスクが大きいことは覚えておきましょう。

発毛剤を使用して頭皮に赤みや炎症が出てきたら、すぐに医師に相談してください。

頭痛やめまい

発毛剤は身体の内部にまで発毛成分が浸透するため、身体的な副作用も起きやすくなります。

頭痛やめまいが起きるのも、発毛剤ならではの影響でしょう。

また、発毛剤の成分ごとに、それぞれ違う副作用が起こり得ることも特徴です。

例えばミノキシジルは、もともとは血圧降下薬として開発された薬のため、血管を拡張して血圧を下げる効果があります。

貧血やめまいだけでなく、場合によっては心臓の働きに悪影響を与える可能性もありますので、安易な投与は禁物です。

男性機能の低下

発毛剤の副作用として、まず挙げられるのがこの点ですね。

性欲減退ED(勃起不全)は、発毛剤使用のリスクとしてよく知られています。

AGA治療では、男性ホルモンを抑えることも治療のうちのひとつです。

そのため、男性的な部分の影響は避けられないとも言われています。

ただし、すべての人に男性機能の低下が起こるわけではありませんので、過剰なまでの心配はしないでくださいね。

気になる人は、クリニックの医師と納得がいくまで充分に相談しましょう。

育毛剤と発毛剤は併用していいの?

2つの異なる育毛剤と発毛剤を、一緒に使っても良いかどうか。

これには「しない方が良い」とお答えします。

もう少し言葉を変えて言えば「原則としてできない」と言った方が良いでしょう。

実際に、ほとんどの育毛剤や発毛剤には、他の商品との併用を禁止する旨の注意が記載されています。

ちなみにこれは「育毛剤×育毛剤」「発毛剤×発毛剤」であっても、原則として同じだと考えておいてくださいね。

その理由として、下記の2点によりご説明しましょう。

両方の成分を同時に活かせない

育毛剤と発毛剤は、成分や効果に違いがあっても、基本的には同じ目的のものです。

ですから、同時に使用したとしても、結局は2つとも活かしきれないことになってしまうんですね。

2倍使ったからといって、効果が2倍になる訳でも、スピードが2倍速になる訳でもありません。

2倍になるのは金銭的な出費だけ…無意味な出費はしない方が良いでしょう。

成分の混ざり合いで副作用が出る

金銭的な面よりも、もっと怖いのが副作用のリスクです。

どの育毛剤でも発毛剤でも、他の商品との併用を想定して作られてはいません。

ですから、併用によってどんな副作用が起きるか、誰にもわからないし、責任の所在がないのです。

2種類の商品を頭部に付けることで肌荒れが起きるくらいならまだしも、身体的に重篤な影響が出ることも充分に考えられます。

「しない方が良い」ではなく「原則としてできない」と言いたいのは、このためです。

併用に関しては専門医に相談しよう!

先ほどからしつこく「原則として」と繰り返しているのは、実際には育毛剤や発毛剤を併用しているケースも存在するからです。

ただし、これは医師の正しい指導の下で併用する場合のみ有効です!

前述の副作用のリスクも考え、素人判断の勝手な併用は決してしないでください。

何らかの併用を行いたい場合は、必ず専門医の診察を受けた上で、併用に問題がないかどうかを相談するようにしましょう。

まとめ

今回は育毛剤と発毛剤の違いについてまとめました。

育毛剤と発毛剤。名称は似ているものの、それぞれには大きな違いがあります。

成分や効果、副作用など、2種類の違いだけではありません。

育毛剤ごと、発毛剤ごとの商品ごとにも、いろいろな違いがあります。

それぞれの商品の特徴をよく見定めて、自分に合った選択をしましょう。